役所で取り寄せるもの、遺品から集めるもの、これから作成するものなど事前に確認したい必要書類
相続関係で用意することになる書類とは
出生から死亡までの連結した戸籍謄本
こちらは誰が法定相続人であるかを確認するために必要です。
多くの場合は意外にシンプルな戸籍謄本でさほど手間にはならないことと思いますが、それでも財産の名義変更などをする場合にその機関に「確認ができる内容」で抜けがないように証明しなければなりませんから、分かっていてもきちんと遡って戸籍謄本を取得する必要があります。
相続人本人(全員)の戸籍謄本(現在の謄本でよい)
こちらは各個人としての関係性を確認するための戸籍謄本になります。
※被相続人の遡った戸籍謄本を取得する際にも必要になるのであらかじめ取得しておく。
※被相続人の戸籍に入っている場合は同一書類になりますので分ける必要はない。
印鑑証明書(コピー不可)
被相続人および相続人全員の印鑑証明書、各種名義変更や遺産分割協議などで相続人全員の実印を証明するため。
マイナンバーカード・マイナンバー通知書(コピー可)
相続人全員のマイナンバーカード(通知書)は相続の申告の際に必要になる。
※被相続人に関しては死亡により無効になるため不要
住民票・被相続人の住民票(除票)
相続人全員の住民票、被相続人の住民票(死亡届を提出すると“除票”となりなす)
相続税の申告や各種登記の変更などで必要。
上記の書類の束をひとつにまとめた「法定相続情報一覧図の写し」
戸籍謄本の原本の束を使うことも可能ですが、いろいろな名義変更などの際に毎回必要になってくるので関係した家族の純粋な過去の情報が事細かく書いてある戸籍謄本の原本よりも「法定相続情報一覧図」を作った方が良いと思います。
被相続人の戸籍謄本や相続人の情報を「法定相続情報証明制度」を利用して簡素な形にまとめた書類になります。
遺言書(ある場合)※検認に2~3か月かかる
法律でしっかりと法定相続人の法定相続分は決められていますが「有効な遺言書」の方がそれよりも優先されます。
※自宅や貸金庫などで保管されていた「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の場合は家庭裁判所での検認が必要ですが、検認に概ね2~3か月かかりますので「相続放棄(3か月以内に決断する)」をする可能性は少ないと思われますが、注意が必要です。
※公証役場での「公正証書遺言」や2020年に開始された法務局で預けられた遺言は事前に内容を確認されていますので検認は不要。
財産目録(自分達または弁護士などにより作成)
自分達で作成しますが、後々の「遺産分割協議」や実際の申告の際にも使いますので可能な限り一般的なフォーマットで正式な財産目録を作成する方が良いでしょう。
遺言がある場合は遺言書の内容に財産目録が含まれている場合もありますが、ない場合は「遺言の執行者」が作成しなくてはいけません。
財産が基礎控除内に収まることが分かっていて、そこまで手間をかけられないとしても、どこにも一覧がなく「えーとっ・・」などと上を向きながらひとつづつ思い出すなんて頼りないですが、とはいえ殴り書きのノートだけというのも同じく頼りないですので、たとえ相続人が家族内だけの場合でも将来的な揉め事を回避する意味でも、弁護士などの第三者を挟んだ形で作成するのは良いと思います。
しかし、上記で説明した通り弁護士に丸投げというのは無謀ですし、丸投げしたところで資料を全部用意してくださいと言われるのは当たり前ですので、全て自分たちで概算で作ってみた後に計算が難しい各種の査定などを含めて正書を依頼する方が良いでしょう。
どんなに頑張って財産目録を作成しても多くの場合で多かれ少なかれ漏れが生じてくるでしょう、大きい場合は「遺産分割協議」をやり直す必要がありますし相続税の計算にもズレが生じることにもなりますので、形あるモノとして変更が生じた場合でも全員がしっかりと確認できますので「ある意味で一番重要な書類」となります。
不動産登記簿謄本
財産目録や相続登記などの作成には正確な不動産情報が必要になりますので、ご自宅などの手掛かりを元に不動産の所在する管轄の役所から「不動産登記簿謄本」を取得します。
固定資産評価証明書
不動産の相続登記の際に登録免許税を算出するための確認書類。
不動産登記謄本を取得する際に当該不動産のある役所にて取得する。
登記申請書
不動産の相続登記をする際に必要な申請書、法務局のホームページからひな形をダウンロードできます。
遺産分割協議書
こちらも自分達または弁護士などに依頼して作成する「どのように相続財産を分割するか」を記した協議書です。
正式なものにするためには相続人全員の実印が押されていなければいけませんし、実印を証明する全員の印鑑証明も付属書類として必要です。
申告期限後3年以内の分割見込書
こちらはある意味で余談ですが、相続発生から10ヶ月の期限以内にどうしても財産目録に記載できない不明な財産がありそうな場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を10ヶ月以内での申告の際に追加して提出しておけば、その後3年以内に「遺産分割協議」をやり直すことになり申告内容が変更になった場合でも、申告をやり直すことができます。
もちろん、払い過ぎた相続税は戻ってくることになります。
これらの書類は基礎控除内で申告が不要な場合でも作るべき
基礎控除内で相続税の申告が不要な場合は問題にならないことも多いですが、先ずはどんな手続きが必要なのか?目を通すことは重要だと思いいます。
銀行口座の名義変更や不動産登記の登記申請、自動車などの名義変更の際など、各種窓口によっては税務署の申告が不要な場合でも正当な手続きとして各種の書類が必要になります。
誰からも催促されなかったからと言って、後々になって作ろうとしても誰かが「その気になってしっかりと纏めないと」あいまいな情報の元で作成するのは非常に困難です。
また、父親が亡くなり、母と子2人の場合、基礎控除は3000万円+(600万円×相続人3人)の4200万円になりますので、仮に4000万円の遺産を口約束でやり過ごしてしまった場合、何年も経った後で各個人の権利を主張して家族間で揉め事になるケースも多く存在します。
今の時代は昭和の時代とは全く違いますので1000万円はもらえるはずだ・・・ということになれば人生が全く違ったことになったといっても過言ではありません。
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